brigitte back numbers
フレンチ/女性ボーカル 友の会「BRIGITTE」会報誌のバックナンバーをご紹介いたします。毎号多彩な顔ぶれの執筆陣に、私ChouChouのお薦め音楽集のCDをお付けしています。ここでは私の書いた文章のみを掲載させていただきます。
 

●●●「私の好きなアルバム」●●●
" BRIGITTE FONTAINE / BRIGITTE FONTAINE EST..." 1968年

  風変わりな特殊な歌詞を自作で、曲はオリヴィエ・ブロック・レーネやジャック・イジュランが担当した1968年の「SARAVAH」からの1st・アルバムです。全体的に次作以降の作品に比べるとポップで聴き易いと思います。もっと以前の作品の頃よりも、さらに高めの細い声で歌われる響きはあまりにもチャーミングではありませんか!ラストのイジュランとのデュエット曲(対話の様な)が実に変わった内容で、このいかれた感覚が大好き!なんです。思わず、「ブラボー!」と叫びたくなる程の感動を得たものであります。こんな私もちょっと変なのかしら?いえいえ!?

●●●「私の好きなうた」●●●
" TREES / THE GARDEN OF JANE DELAWNAY " 1970年

  フランソワーズ・アルディもカバーしていた、英国のトラッド・フォーク・バンドの曲。初めはアルディで知ったのですが、後に原曲を聴き再び深く感動したものです。何とも美しいメロディ・ラインと淋し気でいてやさしい澄んだ女性の声でしょう!。その女性の名前はセリア・ハンフリーズ。歌い出しからスゥ〜!と入ってくる淡い音色にうっとり。盛上がりなどなく、最後まで一貫したトーンで終わります。何度聴いても聴き入ってしまうのですが、切ない余韻を残すものでまた聴いてしまうのです。アルバム全体も素晴らしいのですが、私にとって、この一曲だけは特別な大好きな歌なのです。(1970年の1stアルバムより)

〜 ジェーン・ドゥロウニーの庭〜 :THE GARDEN OF JANE DELAWNAY

少年の声は、消え去らない 彼の言葉は、私に必要
あなたが、歩いている頂きはないのと同じこと ないのと同じこと
私は、あなたを私の夢の中につれていく 暗い朝からぬけ出して
情熱的な祭りの夢を通って ジェーン・ドロウニーの庭の中へ 庭の中へ
薔薇はそこにある 山道でみたいにむしりとっちゃいけない
炎はあなたの髪を焼きつくすだろう そしてあなたの目はガラスになる
あなたの目はガラスになる柳の木陰で 嘆き悲しんじゃいけない
黄金と翡翠色の涙が 川のように流れるだろう 流れるだろう
今はあなたから ジェーン・ドロウニーは夢を抱いていた
決して見つけられなかった夢 その夢をみのらせるのは
彼女の恋人の生き血なのだ 彼女の恋人の生き血なのだ
太陽の汚れなき淡き光は 二度とここにはさしこまない
庭にいる彼女の夢の精が 生き続けている限り

●●●chouchouのお薦め音楽集●●●
1 MAURANE / POUR LES AMES, POUR LES HOMMES
2 ALIZEE / L'ALIZE
3 ETIENNE DAHO / RENDEZ VOUS A VEDRA
4 VANESSA PARADIS / ST.GERMAIN
5 GENTLE WAVES / PRETTY THINGS
6 MARGO GURYAN / LOVE SONGS
7 ROBERT / GOUTTE DE PLUIE
8 LES RITA MITSOUKO / FEMME DE MOYEN AGE
9 ELISA POINT / ADIEU LES GRANDS APPARTEMENTS
10 LULU ET BAMBOU / NE DIS RIEN
11 SYLVIE VARTAN / LES HOMMES
12 BRIGITTE FONTAINE / COMME RIMBAUD
13 JULIE ARTHUR / L'AMOUR ANIMAL
14 ELSA / NOSTALGIE CINEMA
15 MARLENE JOBERT / TOUT POUR SE PLAIRE
16 MYLENE FARMER / L'AMOUR NAISSANT
17 BARBARA / LA DERAISON
18 JEANNE MOREAU / AIMEZ-MOI MIEUX

 
 

●●●「私の好きなアルバム」●●●
"FRANCOISE HARDY / SOLEIL " 1970年

  フランソワーズ・アルディの日本盤では「アルディのおとぎ話」と題された作品です。アルディは大好きな女性アーティストの一人です。他にも沢山好きな作品がありますが、この一枚は私にとっては特別のお気に入りなのです。何故、アルディが好きなのか?全ての解答がこの中に有るかの様です。ジャケット、青い蝶の群が飛ぶサン・サルヴァドール、月の花、蒼い瞳、話しかける影、太陽と夜、月の光、幻想、少女、おとぎ話...これらの私の大好きな不思議な符号・・・「POINT」。私にとってのアルディとは、一般的によく言われるクールな女性というイメージ以前にこの作品で見られる様な世界が大きいのです。文学少女が素敵な大人になれるという理想の様な人かな?生真面目さとファンタジーの同居するステキなアルディ!大好きなアルバム! (*当時のフランス盤タイトルは「FRANCOISE HARDY」でしたが、現在のCDタイトルは「SOLEIL」となっています。この曲もたいへん、素晴らしい曲です♪)

●●● 「私の好きなうた」 ●●●
"BARBARA / ナントに雨が降る" 1965年

  バルバラ!孤高な気高き旋律。優雅な気品と激情を合わせ持つ神秘な声。初めて、この声に出会った作品にこの曲が入っていました。そして、歌詞の内容を後に知りいっそう好きになった曲です。今まで母から聞かされていたシャンソンというイメージとは赴きの違う、美しいピアノの調べとバルバラの吐息と声に圧倒されたものです。間違いなくこの曲は、シャンソンの名曲の一つとして永遠に語り継がれて行くものでしょう。ユダヤ人であるバルバラの歌手デビューは平坦な道のりではありませんでした。この曲を発表した時、既に30代半ば。60年代のバルバラの声はあまりにも繊細で艶があり、このような悲しくも美しい曲がよく似合います。この室内楽とでも言えそうな、バルバラならではのシャンソン世界を見事に表現していると思います。この曲と出会って10年余り経ち私の父も亡くなりました。今でもこの曲を聴くと悲しくなるのですが同時に私の心を落着かせてもくれます。このピアノとバルバラの声の震えだけで充分な比類なき名曲!私にとっての生涯大切な一曲だと思います。

〜 ナントに雨が降る NANTES 〜

ナントに雨が降る 私を放ってほしい
ナントの空は私の心を悲しくしてしまう
ちょうど一年前の そんな朝
ナントの街はやはりどんよりとして 私が駅から出た時
今まできたことのなかった街は 私にとっては見知らぬ街
メッセージが来なければ 旅行などしなかったでしょう
"マダム、グランジュ・オー・ルー通り25番地へ お越し下さい
急いで!希望はあまりありません 彼は最期の時に あなたに会いたいといいました"
長い長い放浪の後 やっと彼は私の心の中へ戻ってき
彼の叫びは沈黙を破り... 彼が去ってしまってから 
長い間、私はこの放浪者、この不明者を 待っていた
ああついに彼は私のところへ戻ってきた 
グランジュ・オー・ルー通り25番地 
私はあの出会いをなつかしく思い出し
廊下の奥にあったこの部屋を 思い出の中に深く刻み込んだ 
私が行くと、暖炉のそばに座っていた 4人の男が立ち上がり 
部屋の明かりは寒くて白く 彼等は晴れ着を着ていた 
その見知らぬ人たちに 何も質問せず 何も言わず、ただ彼等をみただけで 
私はすでにもう遅すぎたことが解った それでも私はそこにいた 
グランジュ・オー・ルー通り25番地に 
彼はもう決して私に会うことなく すでにこの世を去っていた 
さあこれがあなたの知っている物語
彼はある晩戻ってきて それが彼の最後の旅 最後の岸辺になってしまった  
彼は死ぬ前に 私の微笑で暖まりたがっていた 
けれどその夜のうちにこの世を 去ってしまった彼 
別れの言葉も"ジュ・テーム"もいわないで...
海に続く道にある 石の庭に横たわって 安らかに眠ることを祈ります 
私は彼をバラの花の下に横たえた 父よ、我が父よ...
ナントに雨が降る そして私は思い出す 
ナントの空は 私の心を悲しくしてしまう...

■■■ 私の好きな映画 ■■■
「初恋」〜FIRST LOVE〜 西ドイツ/アメリカ合作 1971年
監督:マクシミリアン・シェル 主演:ドミニク・サンダ、ジョン・モルダー・ブラウン


「あなたの好きな俳優さんは?」と尋ねられたなら。男優さんの名前は5,6人はスラスラと出て来ますが、女優さんとなると何十人もの名を次々と並べることになる私です。その時、いつも最初に挙げる人は決まっています。2番目も。ただ3番目あたりから順位は不可能状態です。その私の一番大好きな女優さんはドミニク・サンダ!日本未公開ものも沢山あるのですが、彼女の名を見つけたものはかなり観ています。どれも好きなのですが、19才の時の主演第3作目となる1971年の「初恋」は中でもとっても大好きな作品です。
  原作はロシアの文豪ツルーゲネフ。16歳の少年が別荘で過ごした数週間。その間に年上の女性に初恋し、その愛した人が父親の愛人であると知った少年のナイーブに揺れ動く心理を見事に描いたものです。その年上の女性:ジナイダー役がドミニク・サンダ。このジナイダー役のイメージはサンダにピッタリです。少年:アレキサンダー(原作ではヴラジーミル)に対して、異常な程の寵愛ぶりを見せるかと思えば、ある時はサディスティックにいじめるという、得体の知れない神秘的な存在。当時のロシアの旧体制崩壊という時代背景と共に、この没落貴族の令嬢の気高き誇りと現実との狭間でバランスを崩す精神状態を想像するととてつもない想いがします。そんなジナイダー役を見事に演じてしまうサンダ。美しい映像の中でサンダの身に纏っている長いドレスも実に素敵です。この美しい映像を撮影しているのはスヴェン・ニクヴィスト(ベルイマン作品でも有名)で、ハンガリーを中心にヨーロッパ各地でロケを行ったもの。この耽美的でかつロマンティックで詩的な風景達と共に、好感の持てる爽やかなマスクの英国少年俳優のジョン・モルダー・ブラウンと気高き妖精!ドミニク・サンダのふたりのキャスティングは見事だと思います。当時19歳とは思えないドミニク・サンダですが、私はこの方の持つ(どの作品にも表れる)孤高の冷たい眼差しが死ぬ程大好きなのです。その視線はどこか危うくて何もかも見抜いている様でもあり、途方も無い彼方に向けられている様でもあります。美少女、ロリィタも大好きですが、この方だけはどこにも属さない存在。私にとってのまだ未知の妖精の国、あるいは150年〜200年前から生き続けている架空の夢物語りのヒロイン...。私の心の中にいつもしまってある一際気高き輝きを放ち続けている宝石の様な大切な存在です。ドミニク・サンダを想うだけで緊張してしまう程に大好きな極限の美!(私は高価な宝石にあまり興味がないのはこの為かも?と今感じました。)

●●●chouchouのお薦め音楽集●●●
1.LAURENCE REVEY / BRECHE LO (BERCEUSE)
2.ISABELLE HUPPERT / CONTRE L'AMOUR
3.CRANES / FUTURE SONGS
4.ANNE CLARK / ECHOES REMAIN FOREVER
5.GOLDFRAPP / LOVELY HEAD
6.BARBARA / TOUS LES PASSANTS
7.ARIELLE / MAYA MAYITA
8.ENZO ENZO / QU'EST CE QUE TU FAIS DEHORS A C'T'HEURE LA
9.MICHEL BERGER et FRANCE GALL / LA LETTRE
10. MAYSA / NE ME QUITTE PAS
11.PATTY PRAVO / CAPTIVITY
12.MARY MARGARET O'HARA / YEAR IN SONG
13.FRANCOISE HARDY / EFFEUILLE-MOI LE COEUR
14.TREES / THE GARDEN OF JANE DELAWNEY
15.MEGUMI SATSU / SOMBRE DIMANCHE
16.CHRISTINE DELAROCHE / VAMP DE POCHE
17.CATHERINE RINGER et RENEGADE BRASS BAND / LES JOYEUX BOUCHERS
18.SUZY SOLIDOR / NUIT TROPICALE

 
 

●●●「私の好きなアルバム」●●●
"SERGE GAINSBOURG / L'HOMME A TETE DE CHOU" 1976年

セルジュのアルバムで一枚を選ぶのは大変難しいのですが、3枚に絞ってその中の一 枚を選びました。この作品は1976年録音の1977年発売盤。この頃はセルジュにとって やや低迷期とされる時期にありながら、何とも素晴らしい作品を発表していた事でしょう!(この前後、多数のサントラ作品にも優れたものは多いです。)クロード・ラランヌという彫刻家の作品にインスパイアされたというこの「キャベツ頭の男」。浮気 な女の子=マリルーをめぐり、狂気の果てに精神病院でキャベツ頭になってしまうと いう狂気と妄想が錯綜する男性の歪んだ愛の物語のコンセプト・アルバムです。邦題の「くたばれキャベツ野郎」もイカシテル!!シュールレアリスムの影響も感じられる、セルジュらしいデカダンな文学の匂いの噎せ返る様な世界がたまらなく大好きです。J'adore ! ! ロック・サウンドにいち早くレゲエのリズムを取り入れたのはセルジュではないでしょうか?(この後、本格的なレゲエ作品を作ります。)メランコリックなメロディやアヴァンギャルドな音と共に語る様に歌う独特の歌唱スタイル。嗚呼!どうしたって永遠のセルジュなのです。また、あとの2枚の作品もいつか紹介させて頂きたいと思っています。


●●●「私の好きなうた」●●●
"NICO / MUTTERLEIN" 1970年

ニコの1970年のサード・アルバム「DESERTSHORE」の中の曲。そして、この曲はニコが亡くなった1988年の埋葬時に流された曲だとも。私が好きなニコの曲は他にも沢山あります。でも、この曲には特別深い感情を持ってしまいます。ナチに射殺されたお父さん、精神病院で癌の為に亡くなったお母さん。激動の時代を生きた美しきクリスタ・パフゲン。いつも死と隣り合わせに居たニコ。文学を愛したニコ。ドラッグに溺れた堕天使の様なニコ...。もう、こんなアーティストは現れないでしょう。この曲は実際にニコが亡くなる18年前に作られた曲です。複雑な思いを抱いてしまいます。いつも思うのは、この声はどこか祈りの様でもあり、また嘆きの様にも聞こえるのです。何と優しく哀しい響きでしょう!そして、ハーモニウムの音色との調和の美しさ。ニコはもう居ないのだなぁ...とふと、考えてしまうのですが、死んでしまったとも思えない不思議な存在です。この様な思いはセルジュにも持っています。何なのでしょう?この感覚って。きっと、私の心のどこかに住みついてしまった永遠の住人なのでしょうか...。

Liebes leines Mutterlein
Nun darf ich endlich bei Dir sein
Die Sehnsucht und die Einsamkeit
Erlosen sich in Seeligkeit.

   愛しの母様
   ようやく一緒になれます
   憧れと寂しさを
   内なる平和が取り戻します。

■■■ 私の好きな映画 ■■■
「花のようなエレ」〜 HELLE 〜 フランス 1972年
監督:ロジェ・ヴァディム 主演:グウェン・ウェルズ、ディディエ・オードパン


  フランスの耽美派監督:ロジェ・ヴァディム作品にしては、異色の感もある青春映画です。この作品が主演第1作目となるアメリカ女優のグウェン・ウェルズの持つ無垢な美しさと南仏の美しい自然の景色が甘酸っぱくて眩しい。1951年夏、南仏オートサヴォワ。17歳の少年ファブリス(ディディエ・オードパン)はエレ(グウェン・ウェルズ)というひとりの女性と出会う。精神薄弱で言葉もしゃべれないエレだったが、その純真な美しさにファブリスは惹かれてゆく。しかし、エレは誰か舞わず身をまかしている少女なのに、心は花のようなという不思議な存在なのです。ファブリスはエレを襲おうとした後で兄が滝に飛び込んで自殺...ファブリスの心に変化が起きる。最後にエレが天使(石像)の翼に頬ずりしながらずっと泣いているのです。私には本当に不思議な女性=エレです。現実離れした神話的な存在の様な女性。音楽担当はフィリップ・サルド!ビートルズの"ヘルター・スケルター"をサブリミナルな応用で使用しているという点も興味深いのです。ヴァディム作品の一番好きな映画ではないのですが、この私にとって邦題の通り「花のようなエレ」は今も不思議な純真さの象徴として心に焼き付いて離れないのです...。映像の色彩の美しさと共に!この作品はヴァディムの少年時代の自伝的な要素が散りばめられているそうなのです。
  私はこの映画の中のエレが好きです。役柄の設定上、精神薄弱で言葉もしゃべれない。不遇な美しき女性です。これが可憐だからこそさらに。ただ、いつも私の好きな女優さんのキメテは瞳、視線から放たれる言葉以上の言葉、存在感です。でも、その瞳にも様々。ゾクッ!とする程の大人の女性の視線もあれば、心の澄んだ少女の様な瞳たちも。そんな女性達の瞳を見つめているのが好きなのです。でも、いったい何故でしょう?その視線に魅せられながら好んで観る映画は大抵は耽美的な作品だったり幻想的な作品だったりする事が多いです。時代も環境も違うのだけれど、一瞬その世界の住人になれる。強烈な作品の直後は恐れ多くも主人公に同化し成りきっている自分に気付く事も。そんな気分が楽しいのだけれど、現実に戻らなければならない...。そんな繰り返しのまま、年月だけは過ぎて行くのですね。「眼は口ほどにものを言う」-このエレは正しくそんな証人の様。内面の美しさとは何でしょう?様々な理不尽な世の中で哀しんだり喜んだり。言葉はコミニュケーションの有能な手段ですが、言葉の上手い人や似非な人達と出会う事も稀にあります...悲しいけれど。私は俗に言われる博愛主義者でも何でもありませんが、出来る事ならば同じ匂いで出会えた人達との関係は大切にしたいと思います。嫌な人の事を言い出したらキリがありません。せっかく今を生きているのですから、楽しい事(それが夢想と現実の狭間であっても)を考えてそんな気分を出来るだけ保って生きて行きたいと思うのです。幸いなことにどうやら今のところ、私は人間が大好きな様です。人間嫌いにならずお婆さんになれるといいなぁ...。不況で何となく殺伐とした世間の空気に呑み込まれそうになり恐怖に取り憑かれます。そんな時は直ちに心の隠れ家に安堵を求めに行きます。そんな隠れ家を持っている私を病的だと指摘する人もいるでしょう!甘っちょろいよ!って。でも、これが私の10代の頃から今日までかかってどうにか身につけた処世術の一つなのだと勇気付けてくれる友人の存在に感謝しています。そして、この「BRIGITTE」のメンバーの全てのお友達の存在にも心からありがとうございます!と言わせて下さい。

●●●chouchouのお薦め音楽集●●●
1 LOREN AUERBACH / CAROUSEL
2 JEAN-LOUIS MURAT / L'AU-DELA
3 MARIANNE FAITHFULL / SONGS FOR NICO
4 NADA / GUARDA QUANTE STELLE
5 PATRICIA KAAS / QUAND J'AI PEURDE TOUT
6 VALERIE LAGRANGE / TROIS CIGARETTES
7 JENNIFER WARNES / WE'RE NOT GONNA TAKE IT
8 RENAUD / DOCTEUR RENAUD, MISTER RENAUD
9 LOUISE FERON / L'AMOUR MONSTRE
10 YVES SIMON / A QUI PENSE GAINSBOURG
11 STINA NORDENSTAM / ANOTHER STORY GIRL
12 KARI / DEAD
13.UTE LEMPER / ICH WEIB NICHT, ZU WEM ICH GEHORE
14 BARBARA / NANTES
15 CATHERINE SAUVAGE / LA MELANCOLIE
16 JACQUES ROLAND / LE MORT JOYEUX
17 KATHRIN ANGERER / SURABAYA JOHNNY
18 CATHY CLARET / TANGO
19 CHARLOTTE RAMPLING / COMME UNE FEMME REGARDE UN HOMME
20 SERGE GAINSBOURG / MA LOU MARILOU

 
 

●●●「私の好きなアルバム」●●●
"MYLENE FARMER / AINSI SOIT JE... " 1988年

  ミレーヌの1988年のセカンド・アルバム。1stも現在のミレーヌも大好き!でも、やっぱりこの作品への執着からなかなか抜け出せないでいます。ミレーヌの書く詞の世界が好き、とっても。ポップなサウンドやどこか物憂げな美しい楽曲と歌詞とのバランスが独特で。ミレーヌの歌詞はなかなか翻訳が難しいとされています。私の知りうる現在の拙い解釈でもミレーヌの描く物語(愛)は、生と死、哀しみや孤独、少女として生まれ育ち大人になることへの嫌悪感と葛藤、夢と幻想、時に狂気をも帯びた世界。まるで私の気持ちを代弁してくれるかの様な美しきミレーヌは、最後のカリスマ!ミレーヌはとても誠実なのだと思う。そして人生は楽しい事だけではないけれど、それを誤魔化さず受け入れながら生きて行きましょう...苦しいけれども...と導いてくれるのです。この作品がリリースされた頃も今も、私はどれ程救われて来た事でしょう!アルバムを聴き終えた後に残る余韻が好き。誰とも比較できないミレーヌだけの世界がこの作品で既に完成されているかの様にも思えます...。余りにも大切な作品について語るのはとても難しい事ですね。


●●●「私の好きなうた」●●●
"YVES SIMON / AU PAYS DES MERVEILLES DE JULIET " 1973年


  イヴ・シモンの1973年の「カルチェ・ラタンの孤独」(邦題)の中の名曲の一つ。このアルバムの中には「ゴロワーズ・ブルーの幻想」という名曲も収録されている。どちらを選ぼうかと迷いました。今現在の気分に従いこの「不思議の国のジュリエット」を。現在ではもう作家としての活動に重点を置かれ、最近での音楽作品というと「愛の後に」という映画音楽(シナリオも担当)が私の体験では新しいもの。70年代から80年代に数多くのアルバムをリリースしながら小説も多数。各国で翻訳され出版されている。絶版作も多くまだ少ししか読めていませんが「感情漂流」や「魂のなかの愛」(共に翻訳は永瀧達治氏)もお薦めしたい。イヴ・シモンの魅力はロマンティック!声も歌詞も楽曲も全てがロマンティックなのです。ボヘミアン的な経歴ながらもいつも都会で生きる人間の愛と苦悩を描き続けている様にも思える。この曲の中に出てくるキーワードに大きく反応してしまう私。1973年の古い歌が2003年の今なお色褪せないのです。魂のある歌とはそういうものですね。

ジュリエット、あなたは背中に4枚の赤い翼を付けて
水辺を歩いていた
あなたは少し狂ったレコードテープで、
ルイス・キャロルのアリスを歌っていた
  ママン、ひな菊を摘みに行きましょう
  ジュリエットの不思議な国に
68年の古い映画で、あなたは
フレンチポテトを食べる中国女だった
フェルディナンド・ゴダールは、喫茶店の鏡の反対側から
あなたを解き放っていた
  ママン、ひな菊を摘みに行きましょう
  ジュリエットの不思議な国に
ハリウッドに乗り込むには、あなたは肘を張って行かなきゃ
ならないことをよく知っている
スーパースターやマレーネの娘達が
ジュリエット、あなたをアメリカの夜に閉じ込めてしまう
  ママン、ひな菊を摘みに行きましょう
  ジュリエットの不思議な国に

■■■ 私の好きな映画 ■■■
「鏡」〜 ZERKALO 〜 ソビエト 1975年 
監督:アンドレイ・タルコフスキー
主演:マルガリータ・テレホワ オレーグ・ヤンコフスキー イグナート・ダニルツェフ


  基本的にタルコフスキー作品が好きな私。敢えて「BRIGITTE」で選ぶのはその作品の中の女性像に惹かれる、あるいは印象強く残っている場面...今回はそういう意味で「鏡」(長編としては第4作目)を選んでみました。この作品はタルコフスキーの少年時代の回想から現在までの時空間を自由に眩暈を伴う様な美しい描写で描いて行く。もっと観るとまだ見えないものが見えて来るだろう。スペイン戦争、第2次世界大戦、 中国文化革命などの歴史を読み解かなくてはならないくらい、心理的な読みは難解な 部分が多い。私はこの映画を6回くらい観たくらい。観ているうちに、歳を重ねるうちに理解出来る事が増えて行く。ただ、大好きな場面は初めて観た時のぼんやりとした「綺麗だなぁ〜」「悲しくて美しい」と感じた場面。それは変わらないので不思議なくらい。元来、美しい映像を眺めている事が好きだからかもしれません。
  主演のマルガリータ・テレホワは母と妻の二役を見事に演じ分けています。忘れら れない大好きな場面は、母役のマルガリータが盥で髪を洗うシーン。したたる濡れた髪と緩やかな動き(スローモーション的)はハッとする程の美しさでした。鏡という存在は過去と現在、夢と幻想、実像と虚像のどちらをも観る者に投げかけてくるには最適だったのでしょうか?タルコフスキーの詩的な印象の強いこの作品では、アルセニー・タルコフスキー(監督の父)による挿入詩があり、その朗読をするのはアンドレイ・タルコフスキー自身。監督自らの声で父の詩を朗読する事によって、この幻想的な世界に実を伴ったものを与える事が出来る様です。ラストのシーンで「心配ない...すべて 何とかなるものだ....」と作者の声、そして若い頃の父と母...そして母は子供を連れて歩いていく...涙ながらも微笑を帯びた母の顔が大写しになる...幼い頃の主人公が大声で叫ぶ...だんだんとそれらの姿は遠ざかって行く。この最後の声は叫び...全てこの少年の叫びによって行き交う時間、飛び交う幻想が美しい調和 を生みます。このラストでのマルガリータ・テレホワの強くて優しい涙を伴った微笑みも一生忘れられない場面なのです。

  未来もここに現れる、光も永久に残るだろう
  過ぎ去った日々を、私はこの肩に積み重ねて

  深い時の森を抜けて来た
  私は自らこの世紀を選ぶ.....
  埃を巻き上げながら、我々が南を目指したとき、
  草原は熱気で私と馬に襲いかかり

  修道僧の様に死をもって脅かした
  運命を鞍に結びつけ、私は今、
  少年の様にあぶみに腰を浮かせ、未来を眺めよう
  私の血が絶えようと、私は不死を求めない、
  暖かで、確かな一隅を私は命にかえもしよう
  この世のどこに連れてゆかれようと

- タルコフスキーの朗読する父の詩より抜粋 -

●●●chouchouのお薦め音楽集●●●
1. KEREN ANN / AU COIN DU MONDE
2. TRACEY THORN / ON MY MIND
3. PIERRE BAROUH / PEPE
4. YVES SIMON / AU PAYS DES MERVEILLES DE JULIET
5. PENTANGLE / LET NO MAN STEAL YOUR THYME
6. SYLVIE VERNHES / DERACINEE
7. HIS NAME IS ALIVE / IF JULY
8. SONOKO / MARIENBAD
9. VIOLET INDIANA / HIDING
10. JEAN BART / CHAGRIN SIAMOIS
11. BRUNO MAMAN / AUJOURD'HUI
12. ARIELLE DOMBASLE / PAVANE POUR UN AMOUR DIVIN
13. MIRANDA SEX GARDEN / A FAIRYTALE ABOUT SLAVERY
14. NICO / MUTTERIEIN
15. JONI MITCHELL / HELP ME
16. NOELLE CORDIER / AIMER COMME JE T'AIME
17. LAETITIA CASTA / C'ETAIT ECRIT
18. MIRA JOVOVICH / CLOCK
19. JANE BIRKIN / L'AMOUR DE MOI
20. AUDE / LARMES
21. LES ELLES / Y'A UN JOLI GARCON
22. MARGOT ESKENS / ICH FAHR' MIT PFERD UND WAGEN
23. JOSEPH RACAILLE / AU FIL DE L'EAU
24. LAURENCE SALTIEL / LES CATCHEURS
25. MYLENE FARMER / AINSI SOIT JE...
26. IVA ZANICCHI / TESTARDA
27. BETH GIBBONS / TOM TH MODEL
28. JOHN LENINE BAND / 7H DU MAT

 
 

●●●「私の好きなアルバム」●●●
"CAROL LAURE / ALIBIS " 1979年

  不思議な妖艶さを感じてならないキャロル・ロールのSARAVAHよりリリースの1st・ソロ・アルバム。女優として、そして何よりもルイス・フューレイとの連名作品で先に知る。SARAVAHというレーベルが好きなせいか、この作品が一等お気に入り。私の弱い優しいピアノ音は全体を覆い、ルイス・フューレイならではの奇妙なポップ感覚と軽快なタンゴの織りなす世界。そして、キャロル・ロールのどことなく気怠く浮遊する甘美なヴォイスが実に心地よい。少しダミっとした低音にもゾクっとする。ルイス特有のメロディ、空気感は少しケヴィン・エアーズにも通じるものを感じるのだけれど...。私の好きなナスティ加減が絶妙なのだ。また此処に、もう一つのルイス=キャロルのワンダーワールドがあると思うとクスクス愉快でもある。


●●●「私の好きなうた」●●●
"KATE BUSH / BREATHING " 1980年

  ケイト・ブッシュ!私が此程まで女性ボーカルに魅了されて行くきっかけというか、ある瞬間は間違いなくこのお方との出会い。「魔物語」と題されたレコードを音楽雑誌を読み始めていたので発売前に予約して購入したものだ。今もまた長いお付き合いとなるこのレコードに針を下ろす。回帰する。中学生の私に戻る、そして常に私を誘う世界が未だに広がって行く。色褪せる事など知らない様だ。幻想的な絵画や文学にも興味を持ち始め、世界中にまだまだ知らない素晴らしい世界が存在するのだと知る。貪欲な不思議の国への旅の始まりを考えるとボウイとケイト抜きには考えられない。共にリンゼイ・ケンプの弟子である事等、共通する点も多い。ただ、ケイトの書く美しい幻想的な詞、広がり宙を舞うイマジネーション。シェイクスピアや英国の田園風景や荒野。甘い芳香で誘う悪夢の入り口。繊細なピアノ音。私の感じる少女の持つ潔癖性。この世には残虐で怖いものが存在し美が有れば醜も有ると知った今もなお、このレコードへ回帰する。ケイトの音域の広さや表現力の凄さにも未だに圧倒される。これを天才と言わず何と言えようか!アルバムを取り上げる号も来るだろう。でも、今回は大好きでたまらない「呼吸」を。秘めたるメッセージは深く尊いものだと思うのです...。


少女の皮膚を通して
外気が体内に浸み込んでいく
私も表に出ていた
でも 今は内に潜んでいる方が安全
昨夜 目も眩む様な閃光が
夜空を焦がした
私のレーダーは送っている―危険信号を
でも 私の本能は命じ続ける―
呼吸することを―

  吸い込むのよ―母なる源を
         愛するものすべてを
  吸い込むのよ―そのニコチンを
         人間の堕落を
  吐き出しては―また―吸い込むのよ

私達は最後のチャンスを手離した
あの大爆発の後
私達は生き残った最期の人間
私達の肺の中で
放射性元素の微粒子がキラキラ輝いている
私は心から愛している
私の周りにあるすべてのものを―
果てしなく広がる自然を―
それを吹き飛ばしてしまったのは
心なき愚か者たちの仕業
あなたと私は知っていた
生命とは―呼吸すること

呼吸せずに

いったい何が産まれるというの?

(山本安見氏の対訳より)

 
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